E-A-T(専門性・信頼性・権威性)
E-A-T(Expertise、Authoritativeness、Trustworthiness)とは、2014年版の Google検索品質評価ガイドライン で最初に公開したウェブサイト、ウェブページの品質を表す概念です。日本語に直すとE-A-Tは「専門性」「信頼性」「権威性」と略されます。
現在の同ガイドラインのバージョンでは「E-A-T」は135回言及されているほど重要です。
しかし、E-A-T自体が直接の Googleアルゴリズム ではありませんし、すべてのサイト所有者が重点的に取り組む必要がないものでもあります。
Google検索品質評価ガイドラインでは、特定のウェブサイトに期待されるE-A-Tのレベルは、そのウェブサイトに表示されるトピック、コンテンツが本質的に「YMYL」かどうかに依存することを明示しています。
そのため、YMYLが該当する医療や健康、ECサイトなどのウェブサイトにとっては高度なE-A-Tが必要となり、重点的に取り組むことでSEO対策となります。
同ガイドラインでは「有益な目的を持つ他のすべてのページでは、専門知識、信頼性、権威性(E-A-T)の量が非常に重要です。」と解説しており、個人的には、どのようなウェブサイトもE-A-Tを知り、必要に応じて対策を行う必要があると考えています。
高度なE-A-Tが必要なサイト・ページとしては、
- 医療アドバイス
- ニュース記事
- 科学的トピック
- 財務アドバイス、法律アドバイス、税務アドバイス
- 住宅のリフォーム
などをGoogleは例として挙げています。
目次
専門性・信頼性・権威性とは?
専門性(Expertise)、信頼性(Authoritativeness)、権威性(Trustworthiness)とは、何を指しているのかGoogle検索品質評価ガイドラインの内容を元に説明していきます。
専門性とは(Expertise)
E-A-Tにおける専門性とは、メインコンテンツを作成する作成者の専門的な知識を指します。また、ユーモアがあるウェブサイトの場合、専門性はそれほど重要ではありません。
つまり、専門性に必要なことは、そのコンテンツを執筆者の専門性が高いこと、満足のいく量のコンテンツがあることなどが挙げられます。
信頼性とは(Authoritativeness)
E-A-Tにおける信頼性とは、メインコンテンツの作成者、メインコンテンツ及びウェブサイトの信頼性を指します。
信頼性は、著作者とウェブサイト運営者の信頼度となります。
安全ではないウェブサイト、メインコンテンツ作成者の専門知識の欠落、誤解を招く内容や真実ではない内容、事実上の不正確さなどがコンテンツ、ウェブサイト全体に欠けている場合は信頼性があるとは言えません。
権威性とは(Trustworthiness)
E-A-Tにおける権威性とは、メインコンテンツの作成者、メインコンテンツ及びウェブサイトの権威性を指します。また、フォーラムやコミュニティ・ディスカッションがあるウェブサイトの場合は会話の質が権威性にも関係しています。
権威性は主に、外部からの評価だと考えておきましょう。
例えば、「ピューリッツァー賞を受賞し、調査報道で高い評価を得ている記事」「ウィキペディアの内容(他のウェブサイトやSNSからの評価)」「リアルでの評判・評価」などを得ているメインコンテンツは権威性が高いと言えるでしょう。
E-T-Aの対策で行うこと
E-T-Aの対策の前提として、
- 全てのサイトでE-A-Tが問題になるわけではありません
- 何かを行うことでE-A-Tが確実に高まるわけではありません
- E-A-Tは簡単に修正できるものではあません
以上のことが前提での対策となります。
以下で細かなポイントは伝えていきますが、E-A-Tを高める一番のポイントは「専門性・権威性・信頼性を高めるための技術的な方法は存在せず、人がウェブサイトを見ている時に安心できる、信頼できる情報を提供するコンテンツ及びウェブサイトの運営」を行うことを一番に考えてください。
例えば、著作者やウェブサイトの運営者が分からない記事の治療に必要な薬を販売していた場合、あなたは安心して購入できますか。また、美容整形を行うとして、医師名や会社概要が書かれていないクリニックにお願いしますか。
E-A-Tを高めるために、客観的にあなたのサイトが専門性・権威性・信頼性に足るものかを是非確認してください。
メインコンテンツでの対策
メインコンテンツはそのページの「記事の内容」や「メインとなるコンテンツ」を指しています。また、ユーザーからFAQを受けるサイトであれば、質問も回答もメインコンテンツとなります。
- 客観的に低品質だと思われるコンテンツを編集・削除などで見直すこと
- 古い情報は新しい情報へ編集していること
- メインコンテンツはその内容に対して十分に知識がある専門家が執筆していること
(その専門家はだれが見ても、そのテーマに該当する専門家か) - 特に医療系コンテンツの場合「医療の監修者」を入れているか
- 専門知識を記載する場合、引用元・出典をはっきりと明示し、リンクを貼ること
- ウェブサイトの運営者・運営企業もそのコンテンツに関する知識があること
- 誤字脱字や嘘の情報がないかを確認し、見直すこと
- 素人にも分かりやすく伝える内容にすること
- 決済などを要するウェブページの場合、特定商取引法に基づく表記や明確な払戻し・返金などが記載されているか
- メインコンテンツの内容を誰が見ても、ためにならない薄いコンテンツになっていないか
- 製品や商品を販売している場合、関連する安全上のアドバイスが商品毎に記載されていること
こちらの対策を行ったとしても、「どうやってGoogleに伝えるのだろう?」と思う方も多いのではないでしょうか。
以下の「ページの情報に関しての対策」でお伝えしていきます。ただ、Googleではなく閲覧するユーザーの信頼や権威性を得るためにコンテンツの専門性を高めてください。
ページ情報に関しての対策
ページの情報とは、ページ単体に関して確認してほしい項目です。
- そのページのコンテンツは誰が書いた記事なのか明確に分かる
- 執筆者はどのような資格や経緯を持っており、どのような立ち位置で執筆しているかが分かる
- どこに所属している専門家なのかが分かる
- 所属先やSNSなどへのリンクがあり閲覧できる
- ウェブサイトの運営者・運営企業と連絡が取れる、又は連絡が取りやすいリンクが見やすい位置にある
- プライバシーポリシーや編集方針をユーザーが見られるように明確にしている
- (特に医療系の)メインコンテンツの直下に、資料請求や会員登録などの収益につながるアクションを掲載していない
- 過剰な広告掲載は控える
以上のことを確認・修正・追加しましょう。
ページの専門性をユーザーに伝えるためにも著作者情報は掲載しておきましょう。
ウェブサイト全体の対策
あなたのウェブサイトは、
- 会社概要(運営者情報)
- お問い合わせフォーム又は電話番号
- プライバシーポリシー
- 利用規約(必要な場合)
- 特定商取引法に基づく表記(必要な場合)
- 編集方針(医療広告ガイドラインなど)
- 監修者・執筆者一覧(必要な場合)
- 良くある質問やFAQ(必要な場合)
- 運営しているSNSのリンク
以上は基本的なことですが、しっかりとページが存在していますでしょうか。目的に合わせて必ず掲載しておきましょう。
ウェブサイト全体のE-A-Tの対策としては以下の通りです。
- 会社やオフィスがある場合、物理的な住所は記載しておく
- ウェブサイトが店舗や企業の場合「Googleマイビジネス」に登録し、必要な情報はすべて入れておく
- 「HTTPS」を正しく実装しているか、ユーザーの安全は守られているか
- 今までの実績を記載しているか(サービス実績やセミナー実績など)
- 今までの受賞履歴を記載しているか
- 「whois情報」の設定は正しくできているか
以上のことを確認しておきましょう。
サイト名のブランド力も強化しよう
「食べログ」と聞いたら、ほどんどの方がグルメレビューサイトだと認識しており、その口コミや点数の信頼性もとても高いです。
このように、「サイト名を聞いたら信頼できる」とユーザーに思ってもらうウェブサイトを構築してみてください。
著作者情報・企業情報の構造化データでの対策
Schema.orgライブラリを利用して「構造化データ」マークアップを試してみることも1つの手です。
正確には構造化データは直接のランキング要素ではありません。ただ、Googleは一貫してこの構造化データを採用しており、検索エンジンがサイトを理解させるために推奨しています。
構造化データを利用することで、品質改善の取り組みを合理化することは出来ますが、これでE-A-Tが改善するわけではありません。
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- 人物に関しての構造化データ
- affiliation(所属機関名)
- alumniOf(出身組織)
- award(賞)
- brand(ブランド)
- hasCredential(資格)
- hasOccupation(職業)
- honorificPrefix(敬称)
- honorificSuffix(学位)
- jobTitle(役職)
- sameAs(参照URL)
- 組織に関する構造化データ
- address(所在地)
- duns(認可)
- founder(創設者)
- foundingDate(設立年月日)
- hasCredential(資格)
- knowsAbout(専門性の表示)
- memberOf(所属組織)
- parentOrganization(親組織)
- Author(著者)
- reviewedBy(監修者)
- citation(引用)
- 人物に関しての構造化データ
-
以上となります。不明点は専門家に相談してみてください。
ソーシャルメディアでの対策
- コンテンツ又はウェブサイトがソーシャルメディアで広く共有されること
(SNSを通じてインフルエンサーやコンテンツの閲覧者と交流を深めること) - SNSのプロフィールをしっかりと掲載していること
(また、プロフィールが記事の著作情報となるべく連動していること)
E-A-Tを長期的に対策していくためにはSNSはしっかりと運用しておきましょう。こちらでお伝えするSNSは主に、TwitterやFacebook、Instagramなどを指します。
有名な方は、ツイートするだけで権威性がありますよね。是非、目指しましょう。
また、Google検索品質評価ガイドラインでは、YMYLにTwitterのプロフィールページが例として紹介されています。詳しくは「YMYLとは?高品質なページと低品質なページ」を参照してみてください。
被リンクに関しての対策
「被リンク」については様々な見解がありますが、以下でお伝えするのは「ナチュラルリンク」に特化したものです。
例えば、
- 記事が他のサイトで引用された
- ウィキペディアに掲載された
- SNSでシェアされた
- 被リンク目的ではない記事でリンクが貼られた
以上のようなことです。
ナチュラルリンクを得るためには、
- 引用やSNSでシェアしてもらえるコンテンツを作成する
- 閲覧者とウェブサイトやウェブページがつながりを持てるようなサイトの構築を考えること
などのことを大切にしながら、取り組んでみてください。
良くある質問
E-A-T自体が直接のGoogleアルゴリズムではありません。
E-A-Tに関して、Googleは「人間が評価するように、コンテンツがE-A-Tと一致するように見えるかどうかを判断するために、プロキシとしてさまざまな信号を使用しています。この点ではE-A-Tがランキング要因ですが、その役割は間接的になります。(@dannysullivan)」と回答しています。
E-A-Tはすべてのサイト所有者が重点的に取り組む必要がないものであり、高度なE-A-Tが必要なものの例としては「医療アドバイス」や「法律」など、E-A-Tがあまり必要とされない例が「写真撮影などの趣味のブログ」などが該当します。
注意点としては重点的に取り組む必要がないだけであり、「信頼性」「専門性」「権威性」はすべてのウェブサイトにとって重要です。
著者の経歴・情報を追加するだけで順位が改善することは難しく、それ自体がランキング要素ではありません。また、著作者情報のマークアップ(構造化データ)もGoogleのランキング要素ではありません。
しかし、E-A-Tを改善するために最も一般的な推奨事例の1つであることは間違いありません。
著作者:辻 昌彦

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