301リダイレクト
301リダイレクトとは、あるURLを別のURLに転送するプロセスであり、恒久的(いつまでもその状態が続けること)に変更する永久転送のことです。
主に、
- ウェブサイトを新しいドメインに移転したとき
- 移転をスムーズに移行したいとき
- ユーザーが複数の異なるURLを介してサイトにアクセスした場合
- 2つのウェブサイトを結合する場合
- 結合したウェブサイトで無効になったURLへのリンクをリダイレクトする場合
などに利用されます。
例えば、WWWから非WWWのリダイレクト、HTTPからHTTPSへのリダイレクトを行う際にも301リダイレクトが一般的に利用されます。
SEOに与える影響
301リダイレクトを行った場合、「PageRank」を渡すことが可能であり、302リダイレクト、「canonicalタグ」と比較するとSEOに最も有効な方法となります。
(302リダイレクト、canonicalタグも、PageRankを渡す可能性はあります。)
ただし、301リダイレクトも不正(意図的な順位向上のためなど)に行うとPageRankをGoogleが渡さない判断をする場合があります。
サイト移転やユーザーに必要とない重複したページのリダイレクトには301リダイレクトが推奨されています。
301リダイレクトに関するGoogleの回答まとめ
※情報が古くなっている場合、又は新しい見解が出てきた場合は随時更新しております。また、未更新の場合はお手数ですが、コメントフォームに書き込みをお願いします。
301リダイレクトでのPageRankが数パーセント失われる
2013年と古いですが、「ページランクの何パーセントが301リダイレクトによって失われますか?」の公式YouTubeで、Googleのマッツ・カット氏が回答しています。
マッツ・カット氏は「301リダイレクトによって失われるPageRankは、リンクを通じて失うPageRankと現在は、ほぼ同様です。」と回答しています。
そのため、通常リンクを通して失われるPageRankの計算は「The Anatomy of a Large-Scale Hypertextual Web Search Engine」の論文、Wikipediaを参照すると、90%程度であることが分かります。
301リダイレクトがなくてもサイトが移転したと判断できる
Googleのジョン・ミュラー氏は公式YouTubeで、301リダイレクトが行われなくても、サイトが移転したとGoogleが判断すれば、サイト移転として処理する場合があることを説明しました。例えば、コンテンツのコピーなどで2つのサイトの内容が同じだった場合に起こると伝えています。
ただ、301リダイレクトなどが行える環境にある場合は、サイト移転等には301リダイレクトが推奨されます。
Googleは302リダイレクトを301リダイレクトとして処理する場合がある
公式YouTubeの「English Google Webmaster Central office-hours hangout」で、Googleのジョン・ミュラー氏は302リダイレクトに対して以下のように回答しています。
「302リダイレクトは一時的なリダイレクトですが、十分な時間を経過するとGoogleは恒久的な301リダイレクトとして処理しますか?」という質問に対して、Googleは一時的な状況ではなく、恒久的の状況だと判断した場合に、301リダイレクトと同じ認識として適切に処理する。と回答しています。
可能性としてずっと302リダイレクトを行っていた場合に、起こる自称で期間は定められていません。
補足:一般的な301リダイレクトと302リダイレクトの違い
一般的な301リダイレクトと302リダイレクトの違いとしては以下の通りです。
リダイレクト方式 | 301リダイレクト | 302リダイレクト |
---|---|---|
意味 | 恒久的転送 | 一時的な転送 |
用途 | ドメイン移転 ウェブサイトの統合等 |
モバイルページ転送 |
キャッシュ | キャッシュする | キャッシュしない |
PageRank | 渡す | 渡さない |
302リダイレクトは、あるURLを別のURLに転送する301リダイレクトとプロセスは変わりませんが、あるURLを別のURLに一時的にリダイレクトする「一時的な転送」となり、モバイル向けサイトのリダイレクトや「ABテスト」のリダイレクトで推奨されており、「インターネットで使われている技術との互換性を保つため」だと伝えられています。
そのため、ページをリダイレクトする場合、そのほとんどが301リダイレクトを選択し、SEOでは301リダイレクトが推奨となります。
302リダイレクトでもPageRankを渡し、PageRank転送を防ぐ方法は機能しない
上記と同じ公式YouTubeの「English Google Webmaster Central office-hours hangout」でGoogleのジョン・ミュラー氏は以下のようにコメントしています。
302リダイレクトが、恒久的な状況だとGoogleが判断した場合、302リダイレクトも同様にPageRankを渡します。そのため、302リダイレクトでPageRankの転送を防ぐ方法は機能しない。
以上のように伝えており、Google検索では302リダイレクトもずっと利用していれば301リダイレクトと同様の処理になるということです。
サイト移転の場合、いつまで301リダイレクトを保持している必要があるのか
Googleのジョン・ミュラー氏は301リダイレクトをサイト移転の場合など、いつまで残しておくのか(301リダイレクトの転送を続けておくのか)という疑問にTwitterで回答しています。
しばらくすると301リダイレクトは不要になり、通常は少なくとも1年は保持することをお勧めします。すでに移転前のサイトに「トラフィック」が見られない場合、削除しても問題ありません。
以上のように回答しており、1年間、又は移転前のサイトのトラフィックがない場合は、301リダイレクトを続けなくても良いでしょう。
また、ジョンは続けて以下のような回答もTwitterで行っています。
@JohnMu:古いページ(301リダイレクトしているページ)をGoogleがクロールしなくなった場合、評価のシグナルには役立たないことがあります。 301リダイレクトがなくなると、それらのシグナルは失われますが、Google検索において古いページが存在していないのであれば、リダイレクトは必要ありません。
@JohnMu:301リダイレクトは通常保持するものであり、保持していることは問題ありません。また、良くある問題として301リダイレクトの解除を忘れる時がありますが、それもGoogleにとって問題ではありません。少なくても1年とお勧めした理由は、古いURLはいずれ今よりも重要性がなくなるからです。
301リダイレクトはスパムリンクなども引き継がれる
スパムリンクや不自然なリンクの警告又は、対象になっているドメインから、新しいドメインへ301リダイレクトを行った場合、当然そのリンクも転送され、警告から逃れることは出来ない。警告を受け取っている場合は取り除いてから新しいドメインに変えたほうが良い。
以上のように公式YouTube「Webmaster Central office-hours, August 24, 2012」で回答しています。
現在では、「スパムリンク」や「不自然なリンク」でGoogleから警告を受けることは少ないですが、「有料リンク」などの情報も引き継がれるため、リンクが原因で新しいドメインを構築する場合などは、注意が必要です。
301リダイレクトの実装方法
.htaccessでの301リダイレクト
RewriteEngine on RewriteBase / rewritecond %{http_host} ^domain.com [nc] rewriterule ^(.*)$ http://www.domain.com/$1 [r=301,nc]
上記は一般例であり、英語ですが「Common Htaccess 301 Redirect Rules | Linchpin」のページがすべての301リダイレクトの方法が記載されており、良くまとまっています。ご確認ください。
PHPでの301リダイレクト
// 簡単なコード <?php header("Location: https://www.example.com/", true, 301); exit(); ?>
// 一般的なコード <?php // Permanent 301 redirection header("HTTP/1.1 301 Moved Permanently"); header("Location: https://www.example.com/"); exit(); ?>
上記どちらでも301リダイレクトが実行されます。
JavaScriptでの301リダイレクト
<script type = "text / javascript"> function redirect1(){window.location = "http://www.example.com/new-url/"} setTimeout( 'redirect1()'、5000); </ script>
注意点として、JavaScriptでの301リダイレクトはSEOでは非推奨です。
理由として、JavaScriptはサーバー側ではなくクライアント側で実行され、Googleが301リダイレクトを適切に確認する保証がないためです。
canonicalタグと301リダイレクトの違い
「canonicalタグ」は正規化のURLとして利用されますが、301リダイレクトかcanonicalタグを利用するか迷う場合があります。違いは以下の通りです。
301リダイレクト | canonicalタグ | |
---|---|---|
指示 | 強制的にページにリダイレクトする | Googleは命令として受け取らない |
PageRank | 渡す | リンクをたどって渡す可能性がある |
ユーザー | 強制的に新規ページを見る | 元のページを見る |
強制的に新規ページを見る | 元のページを見る | |
処理 | すぐに処理される | 適正に処理されているか時間を要する |
以上のような違いとなります。例えば、パラメーターで処理されたユーザーに見せたいページや、重複しているがユーザーに必要なページはcanonicalタグを使用し、ユーザーにとって301リダイレクトを行っていないページは301リダイレクトが最適です。
また、ページの移転には301リダイレクトが推奨されます。
良くある質問
無料ブログからの移転で、どうしても301リダイレクト、又はcanonicalタグの移転が行えない場合は、新規ドメインへそのまま移転してしまいましょう。
また、旧ページはコンテンツを消す、又は消したコンテンツに新しいページのURLを案内するように心がけましょう。
可能性としてGoogleは301リダイレクトを利用していない場合でも移転と見なしてくれる可能性がありますし、新しいURLを旧ページにつけることで、PageRankも渡せる可能性があります。ただ、リンクを付ける場合は旧ページから移転したページへ1つ1つ紐づけてリンクを貼ってください。
一般的には1回でのクロールで完了せず、2週間から3週間、又は4週間から5週間ぐらいかかり、Googleは2ヶ月ほど時間をかけてサイト全体、またはページの一部が移転したかどうか確認します。
この情報は「ドメインを変更する場合、リダイレクトをそのままにしておく必要がありますか?」の公式YouTubeでマッツ・カット氏の回答を参考にしています。
また、301リダイレクトを1年ほどは継続することを推奨しています。
必要はありません。古いページで404を返せば良いです。ユーザーのために404を返すのであれば、新規ページの404ページへ301リダイレクトを行いましょう。
間違ってもトップページ等に301リダイレクトを行わないでください。PageRankが失われる可能性があります。また、削除した複数のページをまとめて301リダイレクトを行った場合、ソフト404としてみなされる場合があります。
はい、Search Consoleの「アドレス変更ツール」で伝えましょう。また「URL の変更を伴うサイト移転」も合わせて確認しておきましょう。
301リダイレクトはページ単体のリダイレクトであり、ドメイン・アドレス全体の変更ではありません。Googleが認識しやすいように変更を伝えておきましょう。この情報は公式YouTubeの「Googleウェブマスターツールで住所変更ツールを使用する利点は何ですか。」で伝えられています。
301リダイレクトを行っているのであれば、Googleに任せる方法が一番であり、早いです。
301リダイレクトを行った新規ページがGoogleに認識されない、又は認識が遅いと感じる場合、そのページの品質が低い可能性があります。また、どうしても重要なページの場合のみ、こちらの「Search Consoleでインデックス調べる方法」と同様の処理を行い、インデックスをGoogleリクエストしましょう。
この情報は公式YouTubeの「Googlebotに301リダイレクトを認識させるにはどうすればよいですか?」で伝えられています。
はい、あります。
Googleが検索ランキングを操作する目的で301リダイレクトを利用しており、アルゴリズムがそのように判断した場合には、PageRankが渡されないそうです。
こちらの情報は「Redirection of high PR URLs」に記載されています。
著作者:辻 昌彦
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