ABテスト
ABテストとは、ウェブページや電子メール等の2つのバージョンを比較し、パフォーマンスを測定する方法のことを言います。
目標プロセスを改善するためや、コンバージョン率(成約率)の最適化(CRO)を行うために、最低でも1週間から2週間程度ABテストが一般的には行われます。
日本では「リスティング広告」に出向するために広告ページに利用されることが多く、分割テストとも呼ばれる場合があります。
SEOに与える影響
GoogleはABテストを「提供しているものがユーザーにとって本当に魅力的であることを確認するための優れた方法」だと伝えていますが、以下のことを守る必要があります。
- クローキング ではないこと
- canonicalタグ を利用すること
- 301リダイレクト ではなく、302リダイレクト を利用すること
- 必要な期間のみABテスト行うこと
以上の4つが推奨事項となり、行った場合はSEOに与える影響はありませんが、行わない場合はサイトの検索パフォーマンスやサイトのランク付けが変わる可能性があるので注意が必要です。
以下の推奨方法を確認しておきましょう。
SEOを考慮したABテストの方法
(1)クローキングではないこと
クローキングとは、ユーザーが実際に見ているものと、検索エンジンとで異なるコンテンツやURLをウェブサイトに表示・掲載させる手法のことを言い、Googleのウェブマスター向けガイドライン(品質に関するガイドライン)の違反事項として掲載されています。
ABテストにおいても、このクローキングが行われた場合、Googleの検索結果からの削除やサイトの順位が下がる可能性があるため注意しましょう。
(2)canonicalタグで1つのページを正規化する
複数のABテストを行う場合、コンテンツの内容等は同一になる又は、近しい内容になることが一般的です。
そのため、複数のページを公開している場合、canonicalタグを利用して正規化します。(2つのページで1つは公開しておらず、公開後リダイレクトを行うのであれは不要です。)
正規化していない場合は、ページが検索結果に表示されない場合や「重複するコンテンツ」として処理されるため、SEOにおいて良い影響を与えません。
canonicalタグについては、以下詳細から確認しておきましょう。
(3)302リダイレクトを行う
ABテストを実施している場合、Aページ試験が終了し、新しいBページの試験へAページからリダイレクトを行う場合があると思います。
この場合、まだAページとBページのどちらを利用していくか決まっていないため恒久的な転送の301リダイレクトではなく、一時的な転送の302リダイレクトを利用します。
また、ABテストの時のみ、JavaScriptベースのリダイレクトでも問題はりません。
(4)必要な期間のみABテスト行う
Googleはウェブページやウェブサイトに検索ランキングの影響を与えない、又は最小限にするために必要な期間のみABテスト行うことを推奨しており、終了後は不要なページは適切な処理を行っておきましょう。
不必要なページがGoogleに「インデックス」されている場合は301リダイレクト、ページを残しておきたい場合はcanonicalタグを利用して正規化、など試験的に利用したページを適切に処理しておきましょう。
また、補足ですが302リダイレクトは放置しておくと301リダイレクト(恒久的な転送)とGoogleが認識する場合があります。
ABテストで良くある質問
robots.txtでブロックしていても、Googleはインデックスを行う可能性があるため、推奨されません。
また、nofollow属性を付けていた場合でも、Googleはクロールを行うことから、「クローキング」だけは行わないようにしておけば、問題はないと思われますが、検証していないためGoogleの推奨している方法に従う必要があります。
著作者:辻 昌彦
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